女と男2
個室、と云っても独り住まいだからあっちもこっちも個室なんだが、あえてその小さな部屋へ入った時に本を読んで待つ時間を潰すのが習慣になっている。
妻の遺した田辺聖子さんの[男はころり、女はごろり]を何回目かを読んでいる。 今は聖子さんの豊富なボキャブラリーと表現に感心しながら言葉を捜している。 その一節をお借りすると 男が女のご機嫌をとって、どこが悪いのだろうと考える。女も男のご機嫌をとって、双方、仲良く、おべんちゃらを言い合って楽しめばよいと思う。 ご機嫌をとられて、いやな気分になる人間は、まずいないんだし、それに、女を大事にする男は、自分に自信があるからである。男の優越感からではない。 私は、男のメンツとか、男の体面とかばかり考えて、女のご機嫌を男がとれるか、といっているような男、中身は、貧弱で、何にもない人ではないかと考える。 ゆたかで、自分に自信を持つ男は、女をいたわり、女にやさしいわけである。 ご機嫌をとられるのに慣れて、反っくりかえり、手のつけられるワガママになってゆくのも女であるが、それならそれで、またよしと男は思っているかもしれない。 この一節に、男と女の関係の総てではないにしても、良い関係を維持できるであろうヒントがあると思う。 世の男性諸氏は胸を張って女を甘やかし、我が侭を聞くために骨身を削って働き、ひたすら奉仕する、さすれば、人生の終盤近くになって、定年離婚なんぞとは縁のない夫婦関係を構築出来ることだろう。 僕が中学生の頃、先輩の一人が後輩の輪の中心に座り、さも知ったかぶりで『女なんてのは、言う事を聞かなければ殴るのよ、そうすりゃ言う事を聞くようになるんだ』と真面目な顔で言ったことがある。 僕はマザコンでフェミニストだから、女を叩くなんて事は考えた事もなかったから、この話しを聞いた時は驚いたものだった。多分彼のお父さんはそうしたんだろう。 通常、男の筋力が女より勝っていることは当然で、取っ組み合いになれば負けることはないであろう。 弱いはずの女を叩くなんぞは、余程のことでなければならない。 「みっちゃん、昨日残しておいた菓子は?」 『はい、戴きました』 う〜〜ん我慢 「みっちゃん、今夜は確かステーキて言ったよね?」 『はい、でもコロッケが美味しそうだったので変更しました』 う〜〜ん我慢 これが男を強くする、強いと云っても我慢強くである。 女だって、我慢していることが多いはず。昨日、週刊朝日の目次に[50代妻の本音大調査、ここがイラつく]とあったが、男も女も謙虚に接したいものだと痛感する。 嗚呼、男と女、むつかしくもあるが、楽しい事も事実だと思う昨今であります。
by kattyan60
| 2005-02-24 21:56
| 幸せの定義
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