僕は養子だぞっ
みっちゃんと出会って結婚も決まった年のお正月は、みっちゃんの家に泊めてもらったんだった。
みっちゃんの養母さんが良いよって言ってくれたんですが、今考えれば厚かましい話しです。 みっちゃんは、男の人と喫茶店へも入ったことが無い、つまり僕と行くところが全て初めての経験なんです。 2月16日に結婚式をあげるって姉が設定してくれたんです、互助会を使ってと後で聞いたんです、つまりは嫁さんを月賦で貰ったんですね。 みっちゃんの南って苗字が僕の苗字になると絶えるから、継いで欲しいと聞いたのは式の日の1週間前でした、もちろん箱入り娘を射止めたんですから断る訳にはいきません。 それで、その日から南になったんですが仕事(営業課)では旧姓でしたから、そのままにしてたんですが、娘が3歳頃だったでしょうか、僕に『前田のおっちゃん』と呼んだんです。 みっちゃんは慌てて『お父さんでしょ、お父さん』 僕「えっ、こいつって僕の子じゃないの?」 みっちゃん『ごめん、隣のお兄ちゃんの・・・』 その日から僕に『お〜い前田君』と呼んでも返事をしませんでキョロキョロしてやるんです。 そんな南も定着した頃みっちゃんは『養子でごめんね、元の苗字に戻っても良いよ』と言ったんですが、苦労して南になったのに、また昔の名前で出ていますなんて面倒はごめんです。 そんなことで結婚した当時はみっちゃんの家に僕の少ない婿入り道具を持って行ったんです。 名実共に養子になったんですね。 僕『みっちゃん、お茶をください』 みっちゃん『娘よ、お父さんがお茶だって』 娘『養子なんだから自分で入れれば〜』 僕「そりゃ〜そうだね、自分で入れます、みっちゃんは? 娘は? 息子は? はい4つね」 僕は養子の鏡ですね。 財産が無いから気楽です、馬車馬のように働く養子ってそうそう居ないんじゃないかな? 娘『変な親父や、養子を自慢しとおる』 その娘から隔日のように電話があります。 ミカンの話し、婿の話し、孫の話し、舅姑の話し、みっちゃんの話し、お腹の子供の話し、など一緒に住んでた当時もあまり話さなかったなんてことはなくて、朝起きておはように始まって、おやすみまで、毎日よく話しのタネがあったもんです。 その娘が今日電話してきたのは、孫がノロウィルスに似た症状だとかで、親子で入院するんだそうです「僕は見舞いには行かないよ、移ったら彼の人に会えなくなるから」 娘『薄情もん、まっ良いっかお見舞いのお金だけ送ってくれれば我慢してあげます』 良い娘なんでしょうかね?
by kattyan60
| 2005-01-12 03:26
| 幸せの定義
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